山宮浅間神社


清掃センターへのゴミ処分の帰り、富士宮市の山宮浅間大社に寄ってみました。

不覚にも私は、富士山の世界遺産登録の際して、その存在を知りました。

 

ご神体が富士山なのですが、神社としての本殿や拝殿が存在せず、「遥拝所」があるのみです。

 

その形態は、いわゆる神社の形式では、非常に特異なものです。


霊峰富士を拝むための場所として、道祖神に導かれ、細く長い参道を抜け、鳥居をくぐり、階段を登って丘に続くその動線は、一直線に富士山に向かっています。

 

ここは、いわゆる祭祀儀礼の為の舞台装置です。

 

古代の富士人達の、富士山に対する素朴な畏れ、世界観がみてとれます。

 

そんな刺激的な場所が、地元にあることを知り、ビックリしつつもワクワクしながら行ってみました。


あいにくの霧に閉ざされ、遥拝所からは富士山が望めませんでした。

 

ですが、私の頭の中では、この場所に対するイメージが観念的に出来上がり、そして身を置いている充足感で一杯になっています。


思えば20代、国内外を問わず、寺社仏閣や自然遺産を時間と体力にまかせて巡り歩きました。

 

こういう場所に身を置くことが、何よりも好きなのです。


観光バスで沢山の人たちが立ち寄ってくれることは嬉しいですが、この宝物のような場所がひっそりと残ることを望んでいます。