船大工の集落  佐渡島・宿根木へ

 

新潟県の佐渡島、船大工によってつくられた集落、宿根木(しゅくねぎ)に行ってきました。

 

今回の旅は、「船大工が船を造る技術で、住宅をセルフビルドした集落」を視察するのが目的です。

 

静岡から新幹線とフェリーを乗り継ぎ7時間。

 

旅のお供は、司馬遼太郎さんの『街道をゆく』シリーズ。
今回は、「佐渡のみち」です。

 

佐渡島に上陸後、両津港からバスで3時間半、佐渡島の最南端の海辺に、集落は忽然と展開していました。


集落全体が窪地にスッポリとはまったような形態。


100m×100mの土地に、約100棟の住宅がひしめき合うように建っています。

「風垣」
日本海の強烈な潮風を防ぐための竹垣。
集落は、この奥にあります。


生活水路としての1本の川を軸に住宅が集まり、その周辺に神社、寺、食堂、公会堂、広場などが点在しています。


三角形の平面プランを持つ、有名な三角屋。

縦張りの木壁がカーブしてます。

海の波や風を相手にしている船大工にとって、三角形の平面や3次元的なカーブなどは、いたって当たり前の技術。


江戸時代、宿根木は北廻船の寄港地の小木と共に賑わい、佐渡の富の三分の一を集めたと言われるほど栄ました。

 

その栄華の夢の跡が、歴史の転換点を経て、静かな佇まいを保っています。

この集落を観るために、来たんだよなぁ・・・。

 

建築は、実際に建っている場所に、自分が行かなければ分からないことが絶対にあります。

その不自由さに喜びがあり、その経験が記憶として身体に蓄積されていきます。

 

これからも、こういった建築行脚は生涯積み重ねていきたいと思います。

 

用がなくとも宿根木☆