「BORO」の魅力


視察旅行の途中、東京・浅草に寄りました。

以前より気になっていたアミューズミュージアムの常設展「BORO」を観るためです。

 

「BORO」は、「ボロ」であり、いわゆる農家の部屋着のことです。

 

北国・青森の農家で、何世代にもわたり、布の断片を重ね合わせて受け継いできた着物です。

 

極寒の青森では、時に「食べることより着ることの方が優先した」そうです。

 

過酷な風土から身を守るために、ほころびにはツギ当てし、刺し子を施して補強し、それがやがてパッチワークのようになっています。

 

時間と行為が積み重なった「BORO」は、とても美しい。

 

また、モノによってはとても重い。

 

生き物のようでもあります。

 

腰巻や足袋など、継ぎハギだらけですが、不思議な美しさがあります。

 

私は、民具研究家の田中忠三郎さんの本で、「BORO」を知りました。

 

田中さんの文章は、卑近な例を多くあげながらも非常にユーモラスで、どこか大らかな温かみがあります。

 

また、「物には心がある」とズバリ言われています。

 

日頃、比較的スパスパと物を処分していくsano-sanoにとって、「BORO」との遭遇は、自分の時間の速度を緩めるような、異質な体験となりました☆